保健指導室だより Vol.5 2012.1

今年の目標は立てましたか?

年に一度、健診・検診を受けてますか?

新年・お正月を迎え「今年は○○○をやりたいなあ!」と、新しい年に、新鮮な気持ちで新たな目標を立てる方は多いと思います。どんな目標も、健康であればこそ、ですね。

例えば「今年こそダイエット」「今年こそ禁煙!」「今年こそ休肝日を守る!」・・・
このような健康目標をお考えになられてはいかがでしょうか?

ところで、あなたの「健康」のバロメーターは何ですか?“自覚症状がないから大丈夫”というのはNo Goodです。

年に一度は健診・検診を受けて、今のあなたのカラダの状況をチェックしましょう!
身体の状態は数値でわかるものも多いのです!

健診・検診を受けることは、あなたの権利です!

 学生の方は「学校保健安全法」、お勤めの方であれば「労働安全衛生法」に基づいて、事業者は年一度、健診を受けさせることが義務付けられています。病院勤務など深夜業務従事者や危険物を取り扱う人は6ヶ月ごとに1回など、プラスαがあります。お勤めでない方・国民健康保険に加入している方は、市区町村が実施する、国保健康診査(40歳未満)、特定健康診査(40歳以上)、国保人間ドック(40歳以上で、有料でも詳しく検査したい方)等の健診を受けることができます。

健診と検診、どう違うの?


健診」は『断』の事を意味し、健康であるかどうかを確かめるものです。病気の因子があるかどうかを見ていくものであり、「特定の病気」を発見していくものではありません。その結果、リスク(危険因子)が見つかった場合には、生活習慣を改善して健康管理に努めなければなりません。予防医学の「一次予防」とリンクします。人間ドックもこの健診に含まれます。

検診」は、「特定の病気」を早期に発見し、早期に治療することを目的としています。つまり予防医学の「二次予防」にあたるもので、健診とは目的が大きく異なります。『査で断』とも言えますね。例えば各種の「がん検診」が代表例として挙げられます。内閣府の調査では各種がん検診の受診率は2007年と2009年を比較すると残念ながら受診者はさほど増えていません。イギリスや北欧では、乳がん・子宮頸がん検診は国策で、8~9割の受診率、アメリカでは任意型検診が主体ですが、受診率は7~8割。日本はその1/4程度、3割にも達していません。先進国の中で、がん死亡率が上昇しているのは日本だけです。

がん予防のためには、生活習慣を改め、定期的に検診を受けましょう。

 がんにかかる要因には、遺伝的要因と環境要因があります。最近の分子疫学的研究では、遺伝的要因よりも、生活習慣など環境要因が大切だと考えられています。がん予防の一つ目は、がんにかかる確率を限りなくゼロにすること。例えば、肝臓がんは肝炎ウイルスへの感染防止や、慢性ウイルス肝炎の治療などでかなり克服できます。二つ目は、がんにかかる年齢を遅らせて健康な期間を長くすること。禁煙が典型的な方法で、英国の調査では、喫煙者と非喫煙者の平均寿命には10年ほどの開きがあります。飲酒も重要なポイントです。お酒を飲むとアセトアルデヒドという発がん物質が生成されるので、お酒に弱い人が飲酒習慣を続けると、食道がんになりやすいことがわかっています。三つ目は、検診を的確に受けて、進行がんを予防すること。例えば胃がん検診の受診率が高い地域では、胃がん患者の生存率も上がります。受診率の向上が、命を救うことにつながります。検診の際は、病歴・生活習慣などから自分がかかりやすいがんを知り、その部位の検診を定期的に受けることが大切です。

参考:第18回 日本癌学会市民公開講座より(愛知県がんセンター研究所 田中英夫部長の話 2011.10.2名古屋で開催)

健診・検診、人間ドック、何を受けるといいの?


 一般的な健康診断は、問診・身体計測・血液検査など11項目あります。生活習慣病は自覚症状がほとんどありませんので、特に「健診」が有効といえます。また、もう少し詳しい検査項目が加えられる「人間ドック」で、あなたの目的「胃をきちんと診てほしい」とか「心臓が気になる」など、それぞれのご希望に応じて様々なパターン、項目も選べる機関も多いです。「検診」も同様です。特定の部位をきちんと診てもらえます。かかりつけ医、病院などに問い合わせて、あなたに合った健診・検診をぜひ受けましょう。

成田記念病院の健診・検診・人間ドックについて  PartⅠ

当院でも色々な種類の健診・検診・ドック等が受けられます。
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そして、健診・検診は、「受ければ終わり、安心」ではありません。


 もちろん、すべての項目が異常なければ「よかった」と安心できます。一区切りとして終わりですが、その後も、より健康的な生活習慣を継続していく事が必要です。ましてや異常値があれば、医師からきちんと説明を受け、どの程度の状態なのか?今後どうしたらいいのか?など相談してみて下さい。「結果表を見てもよくわからない」という方もおられると思います。適宜、実際の結果画像も見ながら、医師から説明を受ける機会を逃さないように!人間ドック終了時に結果通知書の受け取り方をお聞きしますので、都合をつけて直接結果を聞きましょう!又、必要に応じて、保健師・看護師・管理栄養士等による人間ドック後の保健指導も受けられます。ご希望の方はお気軽にお問い合わせ下さい。

成田記念病院の健診・検診について  PartⅡ

当院のがん手術件数では、近年大腸がんがずっとトップ、第一位!全国でも増加傾向にある大腸がんの 当院のデータ等について、大谷副院長・健康管理センター長の資料をご紹介します。詳しくはこちら

肥満予防は、健康生活のポイント!

“メタボリックシンドローム“この基準や対応策をご存じですか?今までも「保健指導室だより」でお伝えしています。(詳しくはバックナンバーVol.1・3・4をご覧ください)「わかってはいるけど、実際、生活習慣はなかなか変えられない・・・」というあなた!できない目標を掲げても「またできなかったよ・・・」と、自己嫌悪に陥りながら、1年はあっという間に過ぎてしまいます。でもきっと、今年は違います!いえ、変わりましょう!詳しくはこちらをクリック

今回の”ほっと”な人の声

“メタボ対策”「やる気はあるが自信がない」と考えつつ、早食いを続ける肥満者・・・

これは、平成21年(2009年)国民健康栄養調査の結果から分かったものです。
 肥満者は、やせ型やふつう型の人よりも、「早食い」で、メタボ対策に食事・運動習慣の改善をするつもりはあるものの、「自信がない」という人が多いことが明らかになりました。


この調査の質問で、「食べる速さが速い」と回答した人は、

BMI25以上の肥満者は男性63.9%、女性46.5%
やせ型の人は、男性35%、女性28.5%
ふつう型の人が男性47.2%、女性36.1%

右図を見ると、肥満者の特徴が見えてきました。

 つまり、“早食い“が、肥満者の、大きな特徴!と言えるようです。「よく噛んで食べる」この基本的なスタイルが、体重コントロールのカギを握っているようです。あなたも今日から”1口5回多く噛む“ことを実行してみましょう!
 また、メタボリックシンドロームの予防や改善のための食事や運動の実践状況に関しては、「実践するつもりはあるが自信がない」と答えた人が、肥満者で男性31%、女性44.1%と、やせ型、ふつう型の人に比べて多いのです。ダイエットの失敗経験や、肥満体型が長い間改善されないことから、食事や運動習慣を見直しても、それを維持していく自信が失われているように見受けられます。「今度こそ大丈夫!」と、気持ちを新たに、自信を持ってダイエットを始めましょう!